南八ヶ岳 Day 2 後半
 赤岳天望荘から硫黄岳、オーレン小屋まで。


 赤岳山頂を経て、赤岳頂上荘、赤岳天望荘を超えると岩陵帯の尾根歩きになる。八ヶ岳の主線だけあって風に削られた固い道が続く。この辺りからは人が多く、硫黄岳方面から周回してくる人とすれ違うことが多くなった。


  きっと、晴れていれば綺麗な光景を見られたのだろうが、段々ガスってきて、視界は悪くなっていく。


  時々、トレイルランナーも見掛けた。比較的女性ランナーが多い印象だった。観音平から赤岳ピストンや行者小屋から主線の周回、そのまま麦草峠までという方々がいた。トレランの人って、比較的オープンな人が多くて、止まったりすれ違いに会話を交わす事が多かった。やっぱり女性ランナーは、特にコミュニケーション能力が高い。男性はひたすら目的達成に気が向く。


  地図を見ると稜線なんだけど、トラバースしてたり、アップダウンが連続してたりする。こういった起伏の激しい道では、所持しているザック類の重さがとても重要になってくる。この旅では、水や食料等も含めたザックの重さ(パックウェイト)が14Kgぐらいになってしまい。登り下りがしんどかった。後々にテント場で荷物を広げるたびに「これ、いらねーんじゃね。」「これ二つあるのは不要だな」「ストックいらねーな」「飯もってきすぎたな。小屋食食べてたら、手持ちが減らないじゃん」「ライトって明るくなくてもいいんじゃないか」「バスだから着替えって必要だけど、もう少し考えよう」「帽子が意外と臭くなるな」「上はメリノだから良いけど、バンツは汗臭くなる」などなど反省が吹き出してくる。初日、二日目と日を重ねるごとに反省が増える。余計なモノを減らして快適に歩けるように日々、ブラッシュアップしようと心にそっと誓いました。


   赤岳側を振り返ると、綺麗な山並みが見られた。よく雑誌とかで紹介されている写真そのものだった。意外に赤岳は、ゴツゴツしてないのかもしれない。


  どんどん歩いていきます。こんな感じの道を1時間から2時間くらい歩きました。


  時折、晴れ間が見えたりもしましたが、もはや天候回復が望めない気がしてきました。


  どんどんガスっていきます。見えるのは目の前の道だけに。


  横岳山頂に到着しましたが、全く景色が見えないので感動は無し。あぁ、すごくこの道を歩くのを楽しみにしていたので残念。


  もう周りが何も見えないし、風はどんどん強くなるしで、この後の予定をどうするか悩み始めました。横岳から、またしばらく真っ白な道を進んでいきました。もうなにも見えない。


  真っ白な中に、突然、小屋が登場しました。ここはちょっと心が浮かれたかも。やっと人工物に出会えた。


  小屋は、硫黄岳山荘でした。道側からはパッとみボロい小さい小屋に見えますが、ここ、すごく良かった。




  反対側に入口があります。ここ、すごく優しくて中で休んでも平気です。他では何が頼まないと、休憩料を取るところがありますがここは無料です。悪天候時にはとても嬉しいです。とりあえず中に入ります。


  小屋での物販が充実しています。缶コーヒーやエナジードリンクが売ってるの初めて見たかも。アイスも色々有りました。


   ここの男性小屋番さんがイケメンでしたね。いい笑顔で迎えてもらいました。この日は、連休中日の悪天候で、小屋内に人が溢れていました。そんな人々の対応をテキパキこなしてました。


  八ヶ岳の手拭い、似たようなのを持っているので、これは購入せず。


  バッジ類も有りました。この小屋は食料等以外も充実した感じでした。ヘリでの荷揚げなんでしょうが、よく揃ってる。


  
  ご飯物メニューが目に留まりました。カレーがオススメのようですが、私、山小屋の牛丼が大好きなんです。疲れた身体に懐かしのレトルト牛丼の味が染み込んでくる感じが大好きです。


   ということで、牛丼をオーダー。暫くして出てきました。お茶つきです。おー。身体に優しい感じだ。冷えた身体にはありがたい。
  ここで食事をしながら今後について考えました。寝坊したのと悪天候で予想よりも時間が2時間押しだったので、ここで当初の予定を変更してオーレン小屋にベイルアウトして一泊する事を決めました。外は冷たい風が吹き荒れていましたので、レインウェアを着てリスタート。


  外は、もう、ほとんど何も見えません。真っ白な世界が広がります。ここは何処かと不思議な気持ちになりながら歩いていました。さてさて。


  火の鳥に登場しそうな光景ばかりが広がります。ほんとに山の上を歩いているのか分からなくなる光景でした。硫黄岳の山頂標識が見えてきました。


  硫黄岳山荘で、ゆっくりしてしまったのでペースを上げたいところですが、天気が悪すぎてテンション上がらず。もう修行に近い感じでした。横風に雨が混じり吹き付けてくる。身体が浮くほどの突風に見舞われたりと。いい経験を重ねて行きました。


  こんな感じの中を歩きました。やっぱり隠れるところがない稜線上は、風がすごい。逃げ場がないので、もう少し悪化したら対応を考えなければいけない状況でしたね。写真だとただの白い風景ですが、実際は突風です。この白いのも雲です。山の斜面を登ってくる雲が風に乗って攻めてくるんです。



 がんばって、白い道を進んでいきます。やがて下り道になり、硫黄岳からの下りが結構やつでしたがやっと夏沢峠です。いっきに標高を下げました。まぁ、真っ白で辺りが何も見えず、どんなところを通っているのか全く実感が在りませんでしたが。


 ヒュッテ夏沢と山びこ荘が見えてきました。ここの2軒は、人の気配がしませんね。なんか、入りずらくて外で休憩してスルーしてしまいました。中を覗いても人が見あたらなかった。


 ここの分岐を西側に進み、オーレン小屋に向かいます。今日の予定はあと10程度で終わりとなると、逆に寂しくなる気持ちが生じてくるのはわがままですかね。


 ここから先は、北八ヶ岳っぽい緑の道が広がっています。苔が綺麗に広がります。


 しばらくして、オーレン小屋に到着。先ほどまでの人の気配のなさとは真逆で、人が溢れていました。ここ初めてだったんですが寄って良かった。テント場が広い記憶していたので、比較的、午後の時間からでも場所に困らないこと。山と高原地図に「風呂あり」の文字があることがうれしい。


 到着は、14時くらいだったと思いますが、比較的、テント場は余裕がある感じでした。さすがにフラットの条件の良い立地は埋まっていましたが、まだまだ張れる余裕があった。私は、板の上に張るのが好きじゃないんです。なんかゴツゴツするしペグダウンするとバランス悪くなるし、地面に直張りが好きです。


ここのテン場は、比較的メジャーなモノが張られていました。モンベル、アライ、MSR、とかが多かった印象です。あと、複数人用のでかいのが沢山張られていた。宴会登山ぽい人が多数。



 小屋で売っているビールが沢で冷やされていました。ここは水が豊富ですね。蛇口から出てくる水場が小屋の前にあり、とても重宝しました。


 冷やすのではなく、お湯を釜で沸かしていました。この薪が焼ける煙は虫除けに良かった。ちょっと身体に浴びておけば効果があるかも。


  小屋前は、登山客で賑わっている。親子連れが結構いて、子供達がはしゃいでいた。お父さん、見せ場ですよ。


  小屋内も綺麗で、宿泊客がのんびりとテーブルに座って談笑している。


  オーレン小屋オリジナルの手拭い。これはデザインが良かったので購入した。比較的太い糸で編まれている生地を使っているので、質感は硬めのしっかりとした手拭いだ。

  さてさて、ここのお風呂は17時から入れるとのことだった。小屋番さんに、何時頃が空いているかを訪ねても、17時に入るのがいいのではとの返答で、ほんとに?と、ちょっと疑った。笑
 テントを張って、ちょっとテント場を散策しながらゆっくりし、17時30分頃にお風呂に向かう。


  お風呂は、山小屋の別館の方にあり、食堂横の通路を通って中に入っていく。お風呂手前にトイレもあるんだが、ここのトイレは綺麗だった。


  おー。お風呂だ。山小屋でお風呂とは贅沢だ。当初の予定だと3日は風呂に入らないと思っていたので、予定外のお風呂に心が踊った。この2日、結構汗をかいていた。風呂がとても恋しい。


   風呂場に行ってみると、脱衣所に出てきた人が1人いた。話してみると、「ちょうど誰もいないので、貸切ですよ〜。」と教えてくれた。この人、夏沢峠辺りから一緒になった方で、ゴッサマーギアのザックを背負っていたのでよく覚えていた。貸切と言う事でなかをパシャりと。


  シャワーもあるけど、お水しか出ないらしい。ないより全然マシで嬉しいかぎら。風呂に浸かりながら、外を眺める。ガスガスの白い世界しか見えない。でも、お風呂が最高に気持ち良かったので心の目には青空が広がる。


   帰り際に、2本目のビールを買って、テントに戻る。


 さっきよりもテントが増えた。密度が上がってきて、結局、テント場を埋め尽くす数のテントが張られていた。


  私の寝床は、シックスムーンデザインズのルナソロLE。昨シーズンから使い始めました。快適です。張り方にコツがあり、はじめはうまく張れなかったような気もするけど、最近はまともになってきた。ちょっと外からは透けて見えるのか。気を付けよう。
  この日、近くになったテントは、女子高校生の登山部?だった。女子高校生5名くらいがアライのデカイのに入り、引率者2名がアライの3人用にそれぞれいた。夜、寝るときに女子高生の恋話とか聞けるかなと思っていたけど、引率者の先生の厳しいご指摘ばかりが耳に入ってくるばかり。何時にご飯食べ始めたの?ご飯食べ終わったのは何時?報告がないじゃない!とか、ちゃんといただきます言った?等の登山部っぽい会話だった。大変なんだなあ〜登山部は。


  プシュッと開けて、グビグビ注いで、ぐいっと流し込む。今夜も俺に乾杯。星空も美女も無しだけど、染み込むビールが身体を癒してくれる。後ほど書くが、このテーブルは危ない。足を出して使っていると、横からの力が加わると子鹿のように足が折れてしまい上のものが倒れてしまう。この日は、クッカに入れた水をテント内にぶち撒けた。テーブル上で火器を使うと大変危険なのでやめた方がそさそうだ。この日も足を畳んで使った。製造者にもメールで伝えたが、あまり重大だとは認識していないような内容のメールが返ってきた。これ普通にリコール案件だと思うんだけどな。使う人は、十分に気をつける必要がある事を念頭に置いておこう。また後日に改善策も書こうと思っている。


  夜食は、以前から買って持っていたフリーズドライの卵とじのやつ。あまり美味そうじゃなかったから、もうずっとほったらかしにしていた。二泊三日のいい機会だから、家ある保存食のストックを放出しようと持ち込んでいた。食べてみると意外にこれがいける。思わず、牛卵とじの方も食べてしまった。また買おうかな。
こんな感じで、Day2が終わる。明日は、ここから白駒池を目指すことにした。天気も悪いので、夜空を見るために夜は起きずに爆睡した。