Day 3 は、高見石小屋に寄るか、ニュウに寄るか迷ったが、高見石小屋は、また来る機会がありそうなので、ニュウへ寄って白駒池からバスで茅野駅に向かう事にした。また当初の予定では麦草峠まで行くつもりだったが、バスの始発乗車場は白駒池で茅野駅まで約1時間と長旅のため、座って行きたかった。そのような理由から麦草峠はやめて白駒池からバスに乗ることにした。
am3時30分起床、ご近所になった女子高生登山部の撤収音で目がさめる。また昨夜から降り始めた雨がシトシトと残る。 起きてから、とりあえずお手洗いに行こうとテントを這い出て小屋に向かった。ちょうど食堂では宿泊者の朝食が準備されていた。
山小屋の朝食って、質素だけど、疲れた身体でも採れる食事で、とても美味しい。テント泊ばかりしているけど、小屋食を見掛けると小屋に泊まりたくなる。また食べ物の有り難みを感じる貴重な瞬間。そんな気持ちにさせられる山小屋って素敵だ。賑やかな山の小屋は綺麗な所が多くて、まるで不便さを感じさせない。近年の登山ブームと小屋関係者の努力の賜物なんだろうな。
軽く朝食をとり、am4時30分頃、スタート。天気は曇りで朝のモクモクが掛かった山道を根石岳へ向けて進む。比較的緩やかな道を40分くらい歩くと主線の分岐に着く。本来のルートへ戻った。
人はまばらだ。流石にこんな天候で朝早くからここには通らないだろう。
分岐を天狗岳方面へ進む。なんかゴチャゴチャした道標だなぁ。
昨日に引き続き、真っ白な世界が広がる。先ほどの分岐から暫く降り、開けた場所にでたら、根石山荘の看板がある。看板はあるが、辺りが真っ白で、何処に小屋があるのかまったく分からず迷ってしまった。直進するのか、左折するのか、曖昧な看板は道迷いの原因になるな。悪天候時に分かるように矢印が欲しい。山と高原地図でもはっきりせず困った。
結局、左折してみて暫くしたら、白い世界の中からボンヤリと建物が現れた。怪しすぎる感じで登場して、さもボロボロの山小屋っぽい感じだったので、期待せず前まで行ってみると。なんという事でしょう。素敵な小屋があるではありませんか。
入口は、まぁ普通の感じだった。ちょっと間口が狭く入りづらさはあったかも。ソロ歩きに小慣れてくると、ひとりでズカズカ遠慮なく小屋に入る勇気がついてくる。とりあえず寄っとくか的な。
小屋内は、暖かい雰囲気のする素敵な空間でした。板の間の小上がりに腰掛けやすく、靴のまま座って休憩が出来た。小屋番さんも若い方ばかりだった。ここにも可愛い子がいたな。寄った方は探してみてください。
物販類も豊富にありました。八ヶ岳60周年記念の手拭いが飾ってありましたが、在庫はなくて買えませんでした。鈴木ともこさんデザインのやつ。ちょっと欲しかったな。
まだ、歩き始めて1時間ちょっとでしたが、「あげもち」の文字に食いつき、思わずオーダーしてしまった。これが予想外に美味くて、なんとも幸せな気持ちになった。揚げ餅大好きなんです私。根石山荘で、ゆっくりし過ぎてしまいました。また、真っ白な世界に戻らねばならないと思うと、気が重くなる。しかも天候が怪しいのでウィンドシェルを着込んでリスタート。
親子できていた二人組の後ろ姿が印象的だった。こんな悪天候の中、父親は装備からおそらく素人なんだと思うが、なんで八ヶ岳に来てしまったのだろうか。子供が時折「手が寒い」と呟いていた。強風と小雨の中、素手で歩くのはキツかっただろう。予備の軍手を持っていたのであげようとと思ったが、ザックの中を探しても直ぐには見つからなかった。しかも、探しているうちに親子は先に行ってしまった。「頑張れ少年。何かあったら後ろに控えているからな」と思い、再び、歩き出す。
この日も天候は悪く、ガスガスの視界ゼロが続く。稜線で視界ゼロはほんとにつまらない。何しに来たのかとテンションガタ落ちで、黙々と歩く。
東天狗岳山頂に到着しても、何も見えない。目の前にある西天狗でさえ確認できない。もう、景色は諦めて先へ進む。東天狗から小1時間ほど歩くと中山峠へ差し掛かり、黒百合ヒュッテへの分岐になる。せっかくなので、ちょっと寄ってみた。
テン場は、すでに撤収済みなのか閑散としていた。まぁ、この天候であえて来る人はなかなかの強者だろう。なんたって、何も見えない上に、虫が凄いんだから。黒百合への道で目の中に虫が入ってきて、泣きながら歩いたのはいい思い出だ。ヒュッテのトイレの鏡で一生懸命目の中を確認したよ。
昨年も来たけど、あまりいい評価を見ない黒百合ヒュッテ。よく読むブログで何を買ってもテント泊の人は中で休まないでくれみたいなことを言われたと書いてあった。それを読んで、ちょっと残念な気持ちになった。果たして真相はどうなんだろうか。小洒落た感出てるけど、ここは少し冷たい雰囲気がする。硫黄岳山荘の暖かい感じが良かっただけに対象的だった。さぁ先を急ごう。
中山峠まで戻り、中山方面へ向かう。この先の道ははじめてで、中山峠の岩岩感が一見、険しい道のりを思わせるが、なんのことはない、ここを通り過ぎると緩やかな道が続いていた。とても歩きやすい道だった。ただし、ニュウへ向かう分岐までね。
こんな感じの良さげな道が続いていた。晴れていれば気持ちよく歩けるのだろうが、この日は、景色なんて期待できないので、ひたすら歩くだけ。
時折、道の右側に見える向かいの絶壁が気になる。人もいるから行けるんだろう。あそこはいい眺望が得られそうだ。でも、にゅうの先なので今回は行けないのが残念。
約15分ほど歩くと、にゅう方面への分岐に差し掛かる。こちら側の道は、ちょっとうっそうとしていて足を踏み入れるのを戸惑うかもしれない。木の根や倒木があったり岩石がゴロゴロしてたりと歩きやすい道ではない。

バスの時間が迫ってきていたので、早々にニュウを後にして白駒池に向かう。ニュウから白駒池へ向かう道がこれまた木の根っこストリートでとても歩きづらい。また、湿っているため岩も滑りやすくなっているし、所々、泥んこ状態だ。

暇を持てあましているボート乗り場の人の後ろ姿がチュートで良い感じだった。ボートに乗って子供のようにはしゃぎたかったが、おっさんが一人ででかいリュック背負ってボートに乗っていたら怖いだろうなと思い、今回は自粛した。次回はやってしまうかもしれないな。

いま思えば、なぜここでビールを買わずにCCレモンを買ったのか。このとき、私の目にはラスイチのCCレモンしか目に入っていなかった。このCCレモンを逃すと後ろにあるコーラになってしまう。それは違うんだよと。私の中の私が呟いた。手は知らず知らずのうちにCCレモンを握りしめ、足はお会計へと進んでいた。結局、CCレモンを購入して、この場で飲み干し空PETをおばちゃんに返却した。

この白駒荘は、ご飯モノが充実していまいた。外のテーブルで美味しそうに食べている方が沢山おりました。ここだけを目的地に遊びに来る人は、ここでのんびりすると良いですね。私はバスの時間があり、先を急がねばならなかった。

ここから、JR茅野駅までバスで移動します。ここからまた1時間ほどバスで移動です。11時台のバスに乗ったんですが、予想を裏切られる空席っぷりでした。全然急がなくて良かったかも。なんなら麦草峠まで行ってもよかったなと後の祭り。

バス移動だったため、近場の温泉には寄ることが出来ない。事前のリサーチで上がっていたちのステーションホテルの日帰り入浴を利用させて貰うことにした。茅野駅から徒歩数分でこのホテルに着く。建物内に入り受付にいくも人が居ない。人の気配もない。ベルをチリーンと鳴らすと奥から人が出てきてくれた。どうもお昼前後はお客は居ないんだろうな。日帰り入浴をしたい旨を伝えてお代を600円だったか支払った。なおタオル付きでこれ。タオルなしだともっと安い。なんて良いところなんだと思った。高尾山の麓の温泉は1000円でタオルさえ付いていない。

お客は私だけなので、また中をパシャリと撮っておいた。ちなみにホテルの従業員の方ものほほーんとした方だった。脱衣所の電気を点けて、足ふきのタオルを敷いて、浴室の電気も点けて、鏡の電気も点けて、最後に全て消して、タオルも元の換装させる状態に戻したのは私だ。出る際にカウンターに声を掛けたとき「あっ。電気!」と言われたので、「元通り消しておきました。どうもお世話になりました。」とにっこりお伝えしておいた。

それでも、ここでお風呂に入れるのはありがたかった。オーレン小屋では洗剤が使えないので、頭も洗えないし、身体も汗を流す程度だった。もう、お風呂が気持ちよすぎ。ゆっくり浸かっていたかったが帰りの高速バスの時間が迫っている。いたしかたなく出て、バス停へ足早に向かう。

しばらくして、バスがやって来た。この日は、3連休の最終日、中央道も渋滞が予想されました。

案の定、小仏トンネルあたりで30キロの渋滞。それでも、なんだかんだチョロチョロ進んでた。ちなみに、私は通路側の座席だったが、窓際の隣の席が20代くらいの女性だった。三日間着倒した臭い服と身体ではなく、お風呂でごしごし洗った綺麗な身体で良かった。でもね。横の女性はショートパンツなのにあぐらをかくんだよ哲朗。目のやり場に困ったのでサングラスを掛けてしまったのは内緒だよ。俺の方にグイグイ足を寄せてくるのも止めてくれなんて思わなかったよ。
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